11月
住宅金融公庫では、条件さえクリアすれば全額融資を実施していま
す。また、不動産広告などでも、「頭金ゼロ」をうたい文句にしている
物件を時々見かけます。融資額が大きくなれば、当然返済額は膨らみ
ます。特に広告で返済例として掲載しているものにはローンのゆとり返
済を併用していることが多く、5年後返済額がはねあがることも念頭に
入れておかなければなりません。もちろん当面の頭金はないが、今後の
収入の予定ははっきりしているという人なら、こういった方法をとるの
も1つの選択肢といえるでしょう。
しかし、物件の全額融資を受けても、その他の諸費用は必要となり
ますから、税金や諸費用のための自己資金は、当然用意しておく必要
があります。
ところで、公務員の人は共済組合からの無担保融資という制度があ
り、頭金がなくても共済組合の融資プラス、その他の住宅ローンで購
入計画を立てられる場合があります。
またサラリーマンでも、自分の勤めている会社で無担保の社内融資
制度を用意しているところがあります。
11月
ローンを利用して住宅を購入するとき、いくらまで借りられるのかと
いうこと以上に大事なのは、いくらまでなら返せるか、ということです。
せっかく有利なローンであっても、借りすぎて毎回の返済額が大きくな
りすぎ、日々の生活を圧迫してしまったら元も子もありません。自分の
収入なら、毎月いくらまでの返済に耐えることができるのか、十分に考
えてから融資額を決める必要があります。
逆に融資する側も、毎月の収入に比べて返済額が大きくならないよ
うに、収入(年間)に応じた返済額の制限を設けています。例えば、住
宅金融公庫の融資限度額は、次のような式から求められます。
毎月の返済額≦年収(ボーナスを含む総支給額)×1/12×0.20
また、銀行やファイナンス会社の場合、年収に占める返済額の割合
は30%前後と、公的ローンに比べて高めに設定されています。返済期
間を長くすれば、当然毎月の返済額を減らすこともできます。ただし、
その場合利息が増えるので、返済額は総額として大きくなります。
11月
住宅ローンの金利には、固定金利と変動金利があります。固定金利
とは、申し込んだ時点での金利が返済終了まで適用されるものです。
金利の低い時代に申し込めば、高金利の世の中でも低金利のままの返
済で済ますことができるので有利です。また、毎回の返済額も一定な
ので安心です。住宅金融公庫の返済は、基本的にこの固定金利のみが
適用されます。
これに対して変動金利とは、その時々の金利水準に連動して、ロー
ンの金利も変わるというものです。一般的には半年ごとに金利水準が見
直され、5年に1度、返済額の変更が行われます。ただし、金利上昇が
急激な場合でも、返済額の上限はそれまで支払ってきた返済額の25%
と決められています。
住宅ローンを申し込む時点での金利は、長期設定の固定金利より変
動金利のほうが低くなっています。そこで、当初の返済額は少なくて済
みますが、その後の経済動向などによって、返済額も上下するので、
将来的な金利の動きに注意を払い続けることが必要となります。
住宅ローンの金利は、金融機関によってさまざまな秀え方があり、
豊富な商品が用意されています。どれにもメリット、デメリットがあり
ますから、今後の金利動向の予測も含め、ローン申込時にじっくりと
検討することをお勧めします。
11月
住宅ローンの返済方法には、大きく分けて元金均等と元利均等とい
う2つがあります。住宅ローンの毎回の返済金額というのは、実は元金
部分(実際に借り入れた金額)と利息部分を合算したものです。
元金均等とは、返済の全期間を通じて元金部分が一定であり、利息
部分が当初大きく徐々に減っていくという返済方法です。このため毎
回の返済額も、当初の負担が大きく、徐々に小さくなっていきます。
これに対して元利均等とは、元金と利息の合計額は毎回一定で、元
金の占める割合は当初小さく、徐々に大きくなっていくという返済方
法です。元金均等返済よりも支払い当初の負担が軽く、毎回の返済額
が一定なので返済計画は立てやすいという特徴があります。
返済する利息の総額でいえば、元金均等返済のほうが元利均等返済
より少なく済ませることができます。また、金融公庫や銀行などは、支
払期間の途中であっても、繰り上げ返済(198頁参照)を認めているのが
一般的ですが、例えば返済途中で一括返済をした場合、元金均等返済
のほうが、元利均等返済よりも元金部分が早く減っているので総額での支払いは少なくなります。売却、買い換えの場合も同様です。この
ため、最初に資金的な余裕のある人、数年後に買い換えの計画のある
人には、元金均等払いが向いているということができます。
多くの金融機関では、元金均等か元利均等かを選択できるようにな
っていますが、返済方法の途中変更は原則としてできません。それだけ
に自分の今後の返済計画を立てるときには、どちらが有利かじっくりと
考えてみることが大切です。
11月
住宅ローンを組むときにもっとも注目すべき点は、なんといっても金
利です。金利は、利息を計算する上での元になるものですから、この
利率が多いか少ないかは、後々の返済金額に大きな影響を及ぼします。
公的ローンにしろ民間ローンにしろ、住宅ローンはたしかに一般のロ
ーンに比べて、金利面は低く抑えられています。それでも金融機関や購
入する物件によって、その金利にも多少の違いがあります。比べてみる
と、たった数%の違いでしかないと思うかも知れません。しかし、たと
え1%の差でも住宅のように高額な商品を購入するための長期返済ロー
ンとなれば、総額では大きな差となってしまいます。
11月
住宅金融公庫をはじめ、多くの金融機関では、住宅ローンの返済期
間を30年から35年という長期に設定することができます。長いローン
を組めば組むほど、大きな融資を受けることができますから、希望物件
を手に入れる可能性も広がります。また、それだけ毎回の返済額の負
担を少なく抑えることができるわけです。
ただし、すべてのローン商品がそうであるように、返済を長期に設定
すれば、その分利息金額は大きくなり、結果として総返済額も膨らみ
ます。例えば2000万円のローンを組み、5%の金利で35年返済を行う
と、総返済額は約4200万円となります。半分以上は利息となり、その
額も決して小さなものではありません。
長期間返済を選び、総返済額は大きくなるが毎回の返済負担を小さ
くするほうがいいか、逆に返済期間は短いが、毎回の負担は大きくな
る、しかし、早々にローンから解放されるというほうがいいかは、個人
の事情や考え方によるといえるでしょう。
ここで、返済期間を選ぶ上でもう1つ注意したいのが借り手の年齢で
す。一般に、住宅ローンの返済を済ませる年齢の上限は、70歳または
75歳というように定められています。返済期間はこの上限年齢から逆
算されるので、高齢になると長期返済はできなくなりまず。
11月
住宅ローンは融資金額が大きいので、普通のローンのように後で一括
して返済というわけにはとてもいきません。そこで、毎月一定額を少し
ずつ返していくという方法がとられます。これが毎月払いです。
またサラリーマンであれば、夏と冬にボーナスでまとまった金額を得
ることができますから、毎月払いとは別枠で、返済額の一定額をボーナ
ス時払いとして設定することもできます。そしてほとんどの住宅ローン
返済額は少なくなるというメリットもあります。しかし、当然のことで
すが、その分年2回のボーナス時の負担は大きくなります。しかもボー
ナス月の支払いは、毎月の返済額とボーナス時返済額の合計金額とな
ります。この点は見逃しがちなので、ボーナス時の返済能力を見きわめ
る必要があります。は、この毎月払いとボーナス時払いの併用が可能です。
実際の利用方法ですが、住宅ローンの中込時に、毎月払いとボーナ
ス時払いを別枠で設定します。ボーナスの時期は、半年に1回であれ
ば、希望の月を選ぶことができます。そして、ボーナス時払いに振り分
けられる融資額は、通常、全融資額の50%以内、金融機関によっては
40%以内となっています。またボーナス時払いに設定できる融資額の単
位も、50万円単位、もしくは10万円単位と決まっています。
毎月払いとボーナス時払いの融資額の振り分けは、ボーナス時払い
のほうを限度額ギリギリにすれば、当然毎月の返済は楽になります。ま
た、ボーナス時払いの融資額を大きくすればするほど、実はトータルの
11月
融資を利用して住宅を購入すると、月々決まった金額を必ず返済し
ていかなければなりません。では、毎回どの程度の金額なら、それほど
負担を感じることなく返済していけるのでしょうか。
公的ローンにしろ民間ローンにしろ、融資額に対する収入の最低限度
額というのが決められています。つまり、希望する融資額に対して、あ
る一定以上の収入がなければいけないという決まりごとです。これに対
して、日々の暮らしに必要な生活費は、個人個人で違いますから、生
活への負担が少ない毎回の返済可能額については、自分で計算しなく
てはなりません。
例えば、賃貸住宅に住んでいる人なら、現在支払っている家賃が判
断の目安になるでしょう。金融機関が定めた収入限度額以上であり、
なおかつ生活になるべく負担のない返済額を割り出すことができたら、
自分はいくらくらいの金額の物件を買うことができるかも、おのずとわ
かってくるはずです。
11月
融資限度額が決まるもう1つの要素は、収入です。いくら大きなロー ンを受けることができても、途中で返済が滞ってしまっては元も子もあ りません。そこでローンを実行する際には、全体の収入に占める返済額 の割合があらかじめ融資先により決められています。 住宅金融公庫の場合、毎月の返済額は月収(ボーナスを含めた年収÷12)の20%以内、銀行などの民間住宅ローンでは年収に応じて25~30%以内といった具合です。
つまり、毎月の返済額から逆算して融資限度額を計算します。自分の年収から見た融資限度額を確認しておきましょう。
一般的には、年間の住宅ローンの返済額が年収の25%を超えると、負担と感じる人が多いようです。
11月
はたして自分がいくらまでなら、お金を借りることができるのか一
希望する住宅物件の目星をつけるためにも、まずは自分が受けられる融
資の限度額をはっきりさせることが大事です。
融資額限度は、「物件の条件」と申込み者自身の「収入」という2つの
要素から決まります。それでは物件の条件から見た限度額の算定方法
について見ていきましょう。
住宅金融公庫の場合では、条件をクリアすれば、まずは住宅購入費
の全額(土地の融資を受ける場合は、住宅部分の建築費と土地取得費と
の合計額)の融資を受けられますが、新築一戸建てかマンションかとい
った物件の種類や、建物の広さや構造、地域、価格などで最終の融資
限度額が決まります。
さらに、高齢者対応や省エネなどのための特定の工事を行った際に
利用できる割増融資もあります。このように、住宅金融公庫の融資限
度額は、いろいろな条件が非常に細かく分かれていて、それぞれのケー
スによって決まります。